それは本当にスズメバチ?アシナガバチとの決定的な差
庭仕事をしていると、ブーンという羽音と共に蜂が飛んできて、思わずヒヤリとすることがあります。多くの人がその蜂をスズメバチだと思い込み、慌ててしまうかもしれませんが、少し落ち着いて観察してみてください。もしかしたら、それは危険度の低いアシナガバチかもしれません。スズメバチとアシナガバチは、見た目も習性も大きく異なり、その見分け方を知っておくだけで、不要なパニックを避けることができます。最も分かりやすい違いは、その飛び方と体型にあります。スズメバチは、がっしりとした寸胴体型で、戦闘機のように直線的かつスピーディーに飛び回ります。その羽音も「ブーン」という重低音で、威圧感があります。一方、アシナガバチは名前が示す通り、後ろ脚が長く、その長い脚をだらりと垂らしながら、ふわふわと頼りなげに飛ぶのが特徴です。体つきもスズメバチに比べてスリムで、どこか華奢な印象を受けます。巣の形も全く異なります。スズメバチの巣が外皮で覆われた球体であるのに対し、アシナガバチの巣はお椀を伏せたような形で、六角形の育房がむき出しになっています。この巣はしばしば「蓮の実」や「シャワーヘッド」に例えられ、一目で見分けることが可能です。もちろん、アシナガバチも巣を直接刺激すれば防衛のために人を刺しますから、油断は禁物です。しかし、何もしなければ比較的おとなしく、芋虫などの害虫を捕食してくれる益虫としての一面も持っています。スズメバチとアシナガバチを正しく見分ける知識は、私たちの暮らしの安全度を高め、自然との適切な距離感を保つために役立つのです。