ある夜、お風呂に入ろうと浴室のドアを開けた瞬間、壁を這う黒くて細長い影に気づきました。目を凝らすと、それは無数の長い脚をうねらせて素早く動く、あの「ゲジ(ゲジゲジ)」でした。思わず「ひっ!」と短い悲鳴を上げて後ずさり。あの見た目のインパクトは強烈で、虫が苦手ではない私でも、さすがにゾッとしました。浴室というリラックスすべき空間での突然の遭遇は、心臓に悪いです。ゲジはムカデの仲間ですが、ムカデとは異なり、人を積極的に咬むことはほとんどなく、毒性も非常に弱いとされています。むしろ、ゴキブリやクモ、ダニなどの小さな虫を捕食してくれる「益虫」としての側面を持っています。家の中にいる不快な虫を食べてくれる、ある意味ではありがたい存在なのです。とはいえ、あのグロテスクな見た目と、驚異的なスピードで動き回る姿は、生理的な嫌悪感を抱かせるには十分すぎます。益虫だと頭では分かっていても、浴室で一緒に入浴したいとは到底思えません。では、なぜゲジは風呂場に現れるのでしょうか。彼らは元々、屋外の石の下や落ち葉の中など、暗くて湿気の多い場所を好んで生息しています。家の中に侵入してくるのは、多くの場合、餌となる虫を探しているか、あるいは単に湿気を求めて迷い込んできたと考えられます。浴室は湿度が高く、排水口周りなどに他の小さな虫が発生している可能性もあるため、ゲジにとって魅力的な環境となり得るのです。ゲジを見つけた時の対処法ですが、パニックになって殺虫剤をむやみに撒き散らすのはあまり得策ではありません。可能であれば、ほうきとちりとりなどでそっと捕まえ、外に逃がしてあげるのが良いでしょう。もしどうしても駆除したい場合は、ゴキブリ用の殺虫スプレーなどが有効です。しかし、最も重要なのは、ゲジを家の中に侵入させないための対策です。ゲジはわずかな隙間からでも侵入してきます。窓やドアの隙間、換気口、排水口、壁のひび割れ、エアコンの配管周りなど、外部と繋がる可能性のある隙間を徹底的にチェックし、パテや隙間テープ、金網などで塞ぎましょう。また、家の周りの落ち葉や不用品を片付け、ゲジが隠れやすい場所をなくすことも有効です。あの遭遇以来、私はお風呂場の換気を徹底し、排水口の掃除もこまめに行うようになりました。そして、家の隙間という隙間をチェックして回りました。幸い、その後ゲジに遭遇することはありません。
ゲジゲジが風呂に!益虫だけど不快な虫の侵入対策
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