ねずみのふん発見から始まる我が家の防衛策

ある日、キッチンの床に見慣れない黒い粒が一つ。最初はゴミかと思ったけれど、よく見ると米粒より少し長細い。まさか…と思いながらもネットで検索すると、それは紛れもなくネズミのフンによく似ていた。たった一つ。でも、無視するにはあまりにも不気味な存在だった。これを放置して、もし家の中にネズミが住み着いてしまったら…?考えただけでゾッとした私は、すぐさま我が家の「ネズミ防衛策」を開始することを決意した。まずは情報収集。ネズミの種類、習性、好む場所、そして効果的な駆除・予防方法について徹底的に調べた。どうやら我が家に出没した可能性があるのは、クマネズミかハツカネズミ。どちらも警戒心が強く、狭い隙間から侵入するらしい。次に、家中の総点検を実施した。例のフンがあったキッチンはもちろん、リビング、洗面所、押し入れ、クローゼットの中まで、隅々をチェック。他にフンやラットサイン(壁の黒いこすり跡)、かじられた跡がないか、目を皿のようにして探した。幸い、追加の痕跡は見つからなかったけれど、安心はできない。一番重要なのは侵入経路の封鎖だ。外壁のひび割れ、エアコンの配管を通す穴の隙間、換気扇、床下の通気口などをチェックし、怪しいと思われる隙間は、金網や防鼠パテを使って徹底的に塞いでいった。これはかなり根気のいる作業だったけれど、「ここで手を抜いたら意味がない」と自分に言い聞かせながら頑張った。同時に、ネズミを寄せ付けない環境作りも心がけた。キッチン周りの食べ物は全て密閉容器に入れるか冷蔵庫へ。生ゴミは蓋付きのゴミ箱に入れ、こまめに捨てる。部屋の中も整理整頓し、ネズミが隠れやすい場所をなくすように努めた。念のため、粘着シートも数枚、キッチンや物陰に設置してみた。これらの対策を始めてから数ヶ月が経過したが、今のところ、新たなフンの発見や物音などの気配はない。粘着シートにも何もかかっていない。もしかしたら、あの一個のフンは、本当に一時的な侵入者の置き土産だったのかもしれない。でも、油断は禁物だ。これからも定期的な点検と清掃、環境整備を続けて、ネズミにとって魅力のない家を維持していこうと思う。あの一つのフンが、我が家の防衛意識を高めるきっかけになったのは、不幸中の幸いだったのかもしれない。


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