本が危ない私のシミ発見と駆除奮闘記

読書が趣味の私は、壁一面の本棚を眺めるのが至福の時でした。あの日までは。いつものように本棚を整理していると、ふと一冊の文庫本の表紙に、見慣れない銀色の小さな虫が這っているのを見つけました。全長1センチにも満たない、平たくて細長い虫。すぐにスマートフォンで調べると、それは「シミ(紙魚)」という、本や紙を食べる害虫だということが分かりました。ショックでした。大切な本が虫に食べられているかもしれない!慌てて他の本も確認すると、数冊の本の表紙やページの一部が、まるでヤスリで削られたように、表面が薄くかじられているのを発見しました。被害はまだ軽微でしたが、このまま放置すれば、もっとひどいことになるのは明らかです。まずは、目に見えるシミを数匹捕まえましたが、他にも隠れているに違いないと思い、駆除作戦を開始しました。最初に試したのは、市販の殺虫スプレーでした。本棚の周辺や隙間に噴射しましたが、薬剤が本にかかるのが心配で、あまり徹底的にはできませんでした。それに、隠れているシミにまで効果があるのか疑問でした。次に、インターネットで見つけたホウ酸団子を自作し、本棚の隅に置いてみました。しかし、シミがそれを食べた形跡はなく、効果は実感できませんでした。途方に暮れかけていた時、害虫駆除に詳しい知人から「シミは湿気が大好きだから、徹底的に除湿と換気をすること、そしてホコリも餌になるから掃除が大事」というアドバイスをもらいました。そこで、まずは本棚の本をすべて取り出し、本棚の内外と周辺を念入りに掃除機がけし、固く絞った雑巾で拭き上げました。本自体も一冊ずつ丁寧にホコリを払い、かじられている箇所がないか再チェックしました。そして、本棚の近くに除湿剤を複数設置し、部屋の換気も以前より頻繁に行うように心がけました。さらに、念のため、本棚用の防虫シートを敷き、衣類用の防虫剤(ピレスロイド系)も本棚の隅にいくつか置きました。これらの対策を続けて数週間。あれほど神経質になって探していたシミの姿を、ほとんど見かけなくなりました。本の被害もそれ以上広がることはありませんでした。私の体験から言えるのは、シミ対策には、殺虫剤だけに頼るのではなく、彼らが好む環境(湿気とホコリ)を徹底的に排除することが何よりも重要だということです。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ: