新築のゴキブリショックから立ち直るまで

待ちに待った新築の家。真っ白な壁、傷ひとつないフローリング、最新設備のキッチン…。ここで始まる新しい生活に、胸を膨らませていました。あの黒い影を見るまでは。入居してまだ一ヶ月も経たないある夜、リビングの隅を這うゴキブリを発見した時の衝撃は、今でも忘れられません。「嘘でしょ…?なんで、この家に?」声にならない叫びが喉元までこみ上げ、全身の血の気が引いていくのを感じました。ピカピカのはずの我が家が、一瞬にして汚されたような、裏切られたような、そんな絶望的な気持ちに襲われました。夫に話すと、彼も同じようにショックを受けていました。それからというもの、私の生活は一変しました。夜中に何度も目が覚めて、暗闇の中、ゴキブリの気配を探してしまう。些細な物音にもビクッと反応し、常に神経が張り詰めている状態。家でくつろぐことができなくなり、新築への愛情すら薄れていくような感覚でした。家族にも私のイライラが伝わってしまい、家の雰囲気は重苦しくなりました。とにかく駆除しなければと、半ばノイローゼのように対策に明け暮れました。ネットで情報を漁り、あらゆる駆除グッズを試しました。でも、たまに現れる彼らの姿に、私の心はさらに追い詰められていきました。「もうこの家には住めないかもしれない…」本気でそう考え始めた頃、同じように新築でゴキブリに悩んだ人のブログを見つけました。そこには、私と同じようなショックや苦しみ、そしてそれを乗り越えた経験が綴られていました。「私だけじゃないんだ」そう思えた時、少しだけ心が軽くなった気がしました。そして、自分だけで抱え込まず、専門家の力を借りようと決意しました。業者さんに来てもらい、原因の特定と徹底的な駆除、予防策を講じてもらいました。プロの的確な処置と、「大丈夫ですよ」という言葉に、どれだけ救われたか分かりません。完全にゴキブリの影が消えるまでには時間がかかりましたが、業者さんのアドバイス通りに予防策を続けるうちに、徐々に安心感を取り戻すことができました。今では、あの時のように過剰に怯えることはなくなりました。もちろん、予防は続けています。あの経験は辛かったけれど、新築でも油断は禁物だということ、そして一人で悩まずに助けを求めることの大切さを教えてくれました。


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