春先から初夏にかけて、女王蜂が一匹で巣作りを開始する時期です。この「作り始め」の段階で蜂の巣を発見し、適切に対処することが、後の大きな被害を防ぐ上で非常に重要になります。作り始めの巣は、種類によって形状は異なりますが、多くの場合、まだ非常に小さく、目立たないことが多いです。例えば、アシナガバチの場合、シャワーヘッドのような形をした巣盤が剥き出しの状態で、数個から十数個程度の六角形の育房が見られる程度です。スズメバチの場合は、初期はトックリを逆さにしたような形をしており、女王蜂が一匹で内部に隠れて子育てをしています。これらの初期の巣は、軒下やベランダの天井、窓のサッシの上、生垣の中、物置の隅、エアコンの室外機の裏など、雨風をしのげて外敵に見つかりにくい場所に作られる傾向があります。サイズも数センチ程度と小さいため、普段あまり注意を払わない場所だと見過ごしてしまう可能性が高いのです。しかし、この段階であれば、まだ働き蜂の数も少なく、巣の規模も小さいため、比較的安全かつ容易に駆除できる可能性が高いのです。巣が大きくなり、働き蜂の数が増えてくると、巣を守ろうとする防衛本能が強まり、駆除の危険度も格段に上がってしまいます。特にスズメバチの巣は、最盛期には数十センチから時には1メートルを超える巨大なものになり、数百から千匹以上の蜂が潜むようになります。こうなってからでは、専門業者に依頼するしかなく、費用も高額になる傾向があります。したがって、春先の定期的な家周りの点検が非常に重要になります。特に、前年に巣が作られた場所や、その近くは再度巣が作られやすいと言われています。普段あまり見ない場所も意識的にチェックし、小さな異変を見逃さないように心がけましょう。作り始めの巣を発見したら、決して油断せず、適切な知識を持って対処するか、早めに専門家に相談することが、安全確保の鍵となります。
見逃さないで初期段階の蜂の巣
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