清流が流れるキャンプ場やゴルフ場など自然豊かな場所でレジャーを楽しんだ後、帰宅してから半日以上経って足や腕に猛烈な痒みと共に赤い腫れが現れ、翌日にはその中心に水ぶくれができているという経験をしたことがあるなら、その犯人は十中八九ブヨ(ブユ)である可能性が高いと言えます。ブヨは蚊のように針を刺すのではなく皮膚を噛みちぎって吸血するため傷口から毒素が入り込みやすく、さらにその毒素に対するアレルギー反応が即時型ではなく遅延型として現れることが多いため、刺された直後は少しチクリとする程度で出血点があるだけなのに時間が経つにつれて症状が悪化するという非常に厄介な特徴を持っています。特に水ぶくれができるほど重症化している場合は患部が熱を持ってパンパンに腫れ上がり歩行困難になるほどの痛みを伴うこともあり、これを市販の清涼感のあるかゆみ止めだけで治そうとしても毒素による炎症は深部まで達しているため容易には治まらず、結果として掻きむしって水ぶくれを潰し細菌感染を併発させてしまうケースが多く見られます。ブヨによる水ぶくれを早く治すための鉄則は「温める」か「冷やす」かの判断を間違えないことであり、刺された直後(毒素が回る前)であればポイズンリムーバーで毒を吸い出し43度以上のお湯で温めることで毒素(タンパク質)を変性させ無毒化できるという説もありますが、既に腫れ上がって水ぶくれができている段階では炎症を抑えるために保冷剤で冷やし、最強ランクのステロイド軟膏をたっぷりと塗布して抗アレルギー薬を内服するという医学的な治療が必要不可欠となります。ブヨの被害は一度刺されると数ヶ月間痒みがぶり返す「結節性痒疹」に移行することも多いため、水ぶくれができた時点で「ただの虫刺され」と侮らずに皮膚科専門医の治療を受けることが、長く続く痒みと醜い跡を残さないための賢明な判断なのです。