夢のマイホーム、ピカピカの新築。清潔で快適な暮らしが始まるはず…そう思っていたのに、まさかのゴキブリ出現に愕然とした経験を持つ人は少なくありません。「新築だからゴキブリなんていないはず」という思い込みは、残念ながら通用しない場合があるのです。では、なぜ誰も住んでいなかったはずの新築住宅にゴキブリが現れるのでしょうか。その原因は一つではなく、いくつかの可能性が考えられます。まず考えられるのが、建築中や資材搬入の段階での侵入です。建築現場には様々な資材が運び込まれますが、その資材、例えば木材や断熱材、あるいはそれらを梱包していたダンボールなどに、ゴキブリ本体や卵が付着している可能性があります。特に卵は非常に小さく、目につきにくいため、気づかぬうちに建材と共に家の一部となってしまうことがあるのです。また、建築中の家屋は完全に密閉されているわけではなく、壁や床が完成するまでの間、外部からゴキブリが侵入しやすい状況でもあります。次に、引っ越しの際の荷物と共にゴキブリや卵を持ち込んでしまうケースです。以前住んでいた家にゴキブリが生息していた場合、家具や家電、衣類、そして特にダンボール箱などに潜んで一緒に新居へ「お引っ越し」してしまうことがあります。新築だからと油断して、荷解き後のダンボールを長期間放置してしまうと、そこでゴキブリが繁殖してしまう可能性も否定できません。さらに、新築であっても、周辺環境からの侵入リスクは常に存在します。隣接する家や飲食店、あるいは下水溝や植え込みなど、家の外にはゴキブリが生息している可能性があります。彼らはわずかな隙間を見つけて家の中に侵入してきます。新築住宅の配管周りの隙間や、換気扇、エアコンのドレンホース、基礎部分の通気口などが、彼らにとって格好の侵入口となるのです。また、新築工事で使用された接着剤や建材の匂いが、一時的にゴキブリを誘引してしまうという説もあります。このように、新築住宅であってもゴキブリが出現する理由は様々です。大切なのは、「新築だから大丈夫」と油断せず、入居前から適切な予防策を講じ、入居後も清潔な環境を維持し続けること。そして万が一、ゴキブリを発見した場合は、早期に原因を特定し、適切な駆除対策を行うことが、快適な新生活を守る鍵となります。