ハーブの虫除け効果は嘘?その真相
「ハーブを植えれば虫除けになる」と聞き、期待して育ててみたけれど、思ったほどの効果を感じられなかった…そんな経験はありませんか?インターネットや園芸誌では、特定のハーブが蚊やアブ、アリなどを遠ざけるといった情報が多く見られますが、「効果がない」と感じる声も少なくありません。実際のところ、ハーブの虫除け効果はどうなのでしょうか。結論から言うと、ハーブに含まれる特定の香り成分(精油成分)が、一部の虫に対して忌避効果を持つことは科学的にも確認されています。例えば、レモングラスやシトロネラグラスに含まれる「シトロネラール」、ペパーミントに含まれる「メントール」、ゼラニウムに含まれる「ゲラニオール」などは、蚊などの吸血昆虫が嫌う香りとして知られています。しかし、その効果は限定的である場合が多いのです。まず、効果を発揮する虫の種類が限られていることがあります。蚊に効果があるとされるハーブが、必ずしもアリやハエにも効くとは限りません。また、効果の強さも、市販の化学合成された虫除け剤(ディートやイカリジンなどを含むもの)と比較すると、一般的に穏やかで、持続時間も短い傾向があります。さらに、効果を得るためには、単にハーブを植えているだけでは不十分な場合が多いのです。ハーブの香り成分は、葉を揉んだり、刈り取ったりすることでより強く発散されます。また、風向きや周囲の環境、虫の種類や密度によっても効果は大きく左右されます。したがって、「ハーブを植えただけで虫が全く寄ってこなくなる」というような劇的な効果を期待するのは難しいかもしれません。ハーブの虫除け効果は、あくまで補助的なもの、あるいは特定の条件下で期待できるものと捉えるのが現実的と言えるでしょう。