分譲マンションのベランダで鳩の被害に悩まされている場合、「自分の家のベランダだから」と、独断で鳩よけ対策を進めてしまうのは非常に危険です。良かれと思って設置した防鳥ネットや剣山が、思わぬトラブルの原因となったり、マンションの規約違反になったりする可能性があるため、行動を起こす前に、まずは管理組合や管理会社に相談するという手順を踏むことが鉄則です。なぜなら、マンションのベランダは、法律上「共用部分」として扱われるからです。ベランダは各住戸の居住者が専用で使用する権利(専用使用権)が認められていますが、その所有権はマンションの区分所有者全員にあります。火災などの非常時には避難経路として使われるため、個人の所有物である「専有部分」とは明確に区別されているのです。そのため、マンションの管理規約では、ベランダの外観を変更するような行為や、避難の妨げになるような物を設置することを禁止しているケースがほとんどです。自分で勝手に防鳥ネットを設置するために外壁に穴を開けたり、手すりに大きな剣山を取り付けたりする行為は、この規約に抵触する可能性が非常に高いのです。もし規約違反とみなされれば、管理組合から撤去を命じられるだけでなく、場合によっては損害賠償を請求されるといった深刻な事態にもなりかねません。まずは、管理組合や管理会社に「鳩の被害で困っている」という事実を報告し、どのような対策が許可されているのかを確認することが第一歩です。もしかしたら、あなただけでなく、他の住戸でも同様の被害が発生しているかもしれません。そうなれば、個別の問題としてではなく、マンション全体の問題として対策を検討してもらえる可能性があります。マンション全体で統一した鳩よけ対策(例えば、特定の階のベランダ全てに防鳥ネットを設置するなど)を行うことには、大きなメリットがあります。一括で業者に発注することで、一戸あたりの費用を安く抑えられる可能性がありますし、建物全体の美観を損なわずに、効果的な対策を講じることができます。焦る気持ちは分かりますが、マンションは共同生活の場です。ルールを守り、正しい手順を踏むことが、スムーズで円満な問題解決への最短ルートとなるのです。
マンションの鳩よけは独断で動かず管理組合に相談を