長年、害虫駆除の現場に携わってきた専門家として、一般のご家庭でできる効果的なゴキブリ対策についてお話ししたいと思います。「ゴキブリが出なくなる方法」について様々な情報がありますが、プロの視点から見ても、最も重要なのは「環境整備」と「侵入経路対策」、そして「早期発見・早期駆除」の三本柱です。まず環境整備ですが、これはゴキブリが生存・繁殖するための三要素、すなわち「餌」「水」「隠れ家」を徹底的に排除することに尽きます。キッチンの清掃は基本中の基本です。調理後の油汚れや食品カス、生ゴミの管理はもちろん、見落としがちなのが冷蔵庫の裏や下、電子レンジの周りなどの清掃です。これらの場所は暖かく、餌のカスが溜まりやすいため、ゴキブリの温床となりやすいのです。定期的に動かして掃除することをお勧めします。水回りも同様に、使用後の水滴の拭き取り、排水口の清掃を心がけ、乾燥した状態を保つことが重要です。そして、整理整頓。不要な物を減らし、特に段ボールや新聞紙などを長期間放置しないこと。これらが隠れ家となります。次に侵入経路対策です。ゴキブリは外部から侵入してくるケースが非常に多い。玄関ドアの下の隙間、窓サッシの隙間、換気扇、エアコンのドレンホース、配管周りの隙間など、考えられる侵入経路はすべてチェックし、物理的に塞ぐことが最も効果的です。市販の隙間テープやパテ、防虫キャップなどを活用しましょう。特に古い家屋では、思わぬところに隙間があることがありますので、根気強く探してみてください。最後に、早期発見・早期駆除です。どんなに予防策を講じても、完全に侵入を防ぐのが難しい場合もあります。もしゴキブリを見かけたり、糞(黒い点々とした汚れ)を発見したりしたら、それは既に侵入・定着されているサインかもしれません。その場合は、躊躇せずに駆除を行いましょう。市販の毒餌剤(ベイト剤)は、巣ごと駆除する効果が期待できるため、予防と駆除の両面で有効です。ゴキブリが好みそうな場所、通り道になりそうな場所に複数設置し、定期的に交換することがポイントです。燻煙剤も効果的ですが、使用方法を守り、事前の準備と事後の換気をしっかり行う必要があります。これらの対策を総合的に、かつ継続的に行うことが、ゴキブリのいない快適な住環境を維持するための鍵となります。
プロが教える家庭のゴキブリ対策決定版