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蜂の巣がたった数日で大きくなった話
「まあ、まだ小さいから大丈夫だろう」…それが私の油断の始まりでした。数週間前、自宅のカーポートの天井に、アシナガバチが巣を作り始めているのを見つけました。大きさはまだゴルフボールくらい。女王蜂が一匹、せっせと巣材を運んでいる様子でした。インターネットで調べると、初期の巣なら比較的安全に駆除できるとありましたが、高い場所だし、なんとなく怖くて、つい後回しにしてしまったのです。「そのうち業者に頼めばいいか」くらいに軽く考えていました。それから数日後のことです。買い物から帰ってきて、ふとカーポートを見上げると、信じられない光景が目に飛び込んできました。あれほど小さかった蜂の巣が、ソフトボールくらいの大きさにまで成長していたのです。しかも、巣の周りには数匹の働き蜂が飛び交っています。たった数日、おそらく3、4日くらいしか経っていないはずなのに、その成長スピードに愕然としました。以前は女王蜂一匹だけだったのが、いつの間にか働き蜂が羽化し、巣作りのペースが一気に加速したのでしょう。女王蜂が単独で巣作りをする期間は、意外と短いのかもしれません。最初の働き蜂が生まれれば、そこからは倍々ゲームのように巣が大きくなっていく。そのことを身をもって知りました。こうなってしまっては、もう素人が手を出せる状況ではありません。すぐに専門の駆除業者に連絡しました。幸い、すぐに対応してもらえましたが、料金は初期段階で依頼するよりも高くなってしまったかもしれません。業者の方によると、「アシナガバチでも、働き蜂が増え始めると巣の成長は本当に早いですよ。数日で倍以上の大きさになることも珍しくありません。初期発見、早期駆除が一番安全で確実です」とのことでした。まさにその通りだと痛感しました。「まだ小さいから」「もう少し様子を見よう」という油断が、状況を悪化させてしまう。蜂の巣に関しては、この教訓を肝に銘じなければなりません。もし皆さんも初期の蜂の巣を見つけたら、決して油断せず、できるだけ早く、数日のうちに専門家に相談することをお勧めします。あの時、すぐに連絡していれば…と、今でも少し後悔しています。
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イエシバンムシを防ぐ家庭の知恵
イエシバンムシは、一度家の中に発生してしまうと駆除が厄介な害虫です。そのため、最も重要なのは、彼らを発生させないための「予防」策を日頃から講じておくことです。ここでは、家庭で実践できるイエシバンムシの予防策について、いくつかのポイントをご紹介します。まず、イエシバンムシの最大の発生源となるのが食品の管理です。彼らは小麦粉、乾麺、パン粉、ビスケット、香辛料、ペットフードなど、非常に多様な乾燥食品を好みます。これらの食品は、購入したらできるだけ早く消費することを心がけ、長期間の保存は避けましょう。保存する際は、必ず密閉性の高い容器(タッパーウェア、ガラス瓶、ジップ付きの厚手の袋など)に移し替えることが鉄則です。購入時の袋のまま輪ゴムで縛るだけでは、わずかな隙間から虫が侵入したり、内部で発生した虫が出てきたりする可能性があります。食品を保管する棚や引き出しは、定期的に清掃し、こぼれた粉などを放置しないようにしましょう。古い食品は定期的にチェックし、整理することも大切です。次に、畳もイエシバンムシの発生源となりやすい場所です。畳の内部にある藁床(わらどこ)を幼虫が食べて成長することがあります。畳のある部屋は、こまめに掃除機をかけることが重要です。特に畳の縁や家具の下などは、ホコリや虫が溜まりやすいので念入りに行いましょう。年に1~2回程度、畳を上げて床板を掃除したり、畳を天日干ししたりする(ただし、畳の材質によっては天日干しが適さない場合もあるので注意)のも効果的です。湿度が高いと虫が発生しやすくなるため、部屋の換気を良くし、除湿を心がけることも予防につながります。イエシバンムシは、食品や畳以外にも、ドライフラワーや漢方薬、書籍(特に古い和紙など)、羊毛製品などを加害することもあります。これらの物品を長期間保管する場合は、防虫剤を使用したり、定期的に状態を確認したりするなどの注意が必要です。また、外部からの侵入を防ぐために、窓やドアの隙間を塞ぐ、網戸の破れを修理するといった対策も、基本的ながら有効です。これらの予防策を日頃から意識し、継続的に行うことで、イエシバンムシの発生リスクを大幅に減らすことができます。清潔で整理整頓された環境を保つことが、最も効果的な予防策と言えるでしょう。
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蜂の巣を完成前に阻止する予防術
蜂の巣が完成してから駆除するのは大変ですが、そもそも巣を作らせない、あるいは作り始めの段階で阻止することができれば、それに越したことはありません。蜂が巣を作り始める春先から初夏にかけて、数日の油断が大きな巣につながることもあります。ここでは、蜂の巣を完成前に阻止するための予防策についてご紹介します。まず、蜂が巣を作りやすい場所を知っておくことが大切です。アシナガバチは軒下、ベランダ、窓のひさし、庭木、生垣などに開放的な巣を作ります。スズメバチは閉鎖的な空間を好み、屋根裏、壁の中、床下、土の中、木の洞(うろ)などに巣を作ることが多いです。ミツバチも屋根裏や壁の中などを好みます。これらの場所を、特に春先(4月~6月頃)に定期的に点検する習慣をつけましょう。週に一度でも、家の周りや庭を注意深く見て回ることで、巣作りが始まったばかりの非常に小さな巣(女王蜂が一匹で作っている段階)を発見できる可能性が高まります。もし、女王蜂が巣を作り始めているのを見つけたら、それが初期段階(数センチ程度)であれば、前述のように比較的安全に対処できる場合があります(ただし種類と状況による判断が必要)。女王蜂が巣作りを諦めるように仕向ける方法もあります。市販の木酢液や竹酢液を水で薄めて、巣を作られやすい場所に定期的にスプレーしておくと、蜂がその匂いを嫌って寄り付きにくくなると言われています。ハッカ油などのハーブ系の香りも同様の効果が期待できる場合があります。ただし、これらの効果は永続的ではなく、雨などで流れてしまうため、こまめな散布が必要です。また、蜂が巣の材料を集めにくい環境を作ることも間接的な予防になります。例えば、庭の枯れ木や放置された木材などを片付けることで、巣材となる木材繊維を減らすことができます。家の壁などに隙間や穴があれば、パテなどで塞いでおくことも、スズメバチやミツバチが侵入して巣を作るのを防ぐのに役立ちます。さらに、過去に巣を作られたことがある場所は、蜂が再び巣を作りやすい傾向があります。巣を除去した後も、その場所には定期的に殺虫剤をスプレーしておくなどの対策を続けることが推奨されます。これらの予防策を講じることで、蜂が巣を作るのをためらわせたり、巣作りを開始しても初期の数日のうちに発見し、大きな問題になる前に阻止したりすることが可能になります。